弊社が扱っているAUTOCAR JAPAN12月号に「儲からないクルマランキング」
なる記事掲載されていた。
以下、転載いたします。
格付け会社のバースタイン・リサーチによれば、現代自動車産業界においてもっとも
大きな損失を生んだクルマはスマートフォーツーだという。
同社のアナリスト達は、近年のとくに大きな損失を纏めたリストを編集した。
但し、致命的な損失とすべきものは滅多に無い。というのが、彼らの分析結果だ。
赤字の理由は大別してふたつある。ひとつは、クルマそのものがユーザーに受け入れ
られなかった場合だ。もうひとつは、革新的な技術が投入されたがゆえの莫大な投資
の起因するもので、例えばオールアルミのシャーシーとボディを採用したアウディA2
がこれに当てはまる。
スマートも後者の典型例だ。スウォツチの創業者である二コラス・ハイエックによる
企画を、メルセデスが技術的手腕を発揮して実現したそれは、ブランドそのものとともに
まったく新しいプラットフォームとエンジンが開発され、ドイツとの国境に程近いフランス
のハンバッハに新設した工場で生産された。
アナリストの見積もりでは、メルセデスがスマート設立に投じた資金は5,000億円近い。
ボトムエンドに近い市場に投入される低価格車への投資としては、リスクの大きな金額だ。
その上、セールスは当初の試算を40%以上も下回ったのである。その点では、市場ニーズ
とのマッチングにも失敗した例だとも言える。
一方、単に市場を見誤った例としてアナリストが挙げるのは、ルノー・ラグナやフィアット・スティロ、
プジョー1007、そしてジャガーXタイプである。これらの販売台数は、メーカーの目論見を
大きく下回った。達成率はスティロ30%、Xタイプが26%、1007にいたっては12%といった
具合だ。いずれもメーカーにとっては想定外の事態だが、例外もある。ブガッティ・ヴェイロンが
利益を生まないのは、親会社のVWも織り込み済みだ。彼らの技術力をアピールする使命を
負った特例だからである。VWのフェートンも、同じく例外のひとつだ。
ブランドの上級移行を目論んだフェルナンド・ピエヒ総師の鶴のひと声による、通常の収支計算
の範囲外のプロジェクトだというのがアナリストの見解だ。
以下の表もご覧あれ、
世の中、必ずしも良いものが売れるとは限らない。
スマートはそんな言葉が似合うのかも知れない。
でも、良いものを見分けられる人もいることも確かです。
損をしてまで売る。それは絶対必要なものだからなんでしょうね。
時代は追いついてくる!