カーレビュー

 ルノーのメーカー直系のホットモデルが「RS(ルノー・スポール)」だ。日本ではとりわけRS系を熱心に導入。ボトムレンジを担うトゥインゴRS、伝統的ホットハッチ像のルーテシアRS、そして最新のメガーヌRSと、車格や価格帯、そしてクルマの味付けによって選べる環境にあるのだ。では、ここで改めてルノーが誇る最新のRSシリーズを検証してみたい。

 メルセデスの「AMG」、BMWなら「M」、アウディの「S」あるいは「RS」といったように、ルノーにもメーカーが用意するスペシャルモデルがある。「RS」と呼ばれるモデルたちである。他者が名乗るRSと異なり、これらはルノー・スポールの意で名付けられている。

 現在、日本に導入されるRSモデルは3車種もある。年間2〜3000台の販売台数というルノーの規模からすると驚くべきラインナップだ。それだけルノー・ジャポンはRSという名のスポーツモデルの導入に積極的なんだと思う。

 ルノー・スポールは1975年に設立されてから、ルノーにおけるモータースポーツ活動の中心として常に重要な役割を果たした存在である。F-1を筆頭としてフォーミュラ・ルノー、ラリーやツーリングカーレース、クリオカップなどのワンメイクなど。ルノーのワークス活動は総てルノー・スポールによっておこなわれる。そして、上記スペシャルモデルたちの開発と生産である。モータースポーツで鍛えた技術をベースモデルに惜しみなく投入したRSシリーズ、それは小手先のチューニングに止まらず、エンジンやサスペンション、ミッションにまで手が入った“本格仕様”だ。それが新車でも中古でも、クラスによって選べる日本は、とても恵まれた環境だと言える。

 さて、3車種とはいえ、ルーテシアRSはもう導入を打ち切る時期となった。現在の主力は今年初頭にデビューしたメガーヌRSと、ボトムレンジを担うトゥインゴRSだ。とはいえ、ルーテシアも日本に在庫はまだ残っているし、中古車まで視野に入れれば充分に選択肢になるはずだ。そこで、いまこのタイミングだからこそ、3台をじっくり乗り比べてみた。