シトロエンらしい個性的な内外装のデザインを継承しながら、上質感とボディの剛性感を大幅に高めて、2代目C4が上陸を果たしたのは2011年7月のこと。ラインナップは、1.6リッター直4DOHC+4段ATの「セダクション」と、同ユニットのターボ付き+6段EGSの「エクスクルーシブ」。ともに5ドア、右ハンドルだ。果たしてC4とはどのような特徴を持つクルマなのか。「セダクション」を俎上に載せてじっくり紐解いていこう。
01 フロントビュー
先代より個性が薄まった印象を受けるものの、精悍さと上質感を大幅に向上させたフロントマスク。ヘッドライトの造形もかなり凝っている。C4はCセグメントに属するモデルとなるが、ひとクラス上のボリューム感を持つ。ちなみに1790mmという全幅は、現行型のVWゴルフと同寸。
02 リアビュー
シンプルにまとめられたリアのデザイン。ただし、プレスラインのアクセントが絶妙で、プレミアムな印象を与える。ちなみに荷室は広大、同セグメントでは最大級と表現していいだろう。
03 サイドビュー
真横から眺めてみるとほとんど限界に近いほど寝ているAピラーの傾斜に驚く。しかも、ルーフは微妙に弧を描きながらルーフスポイラーへとつながっているから、すごくスポーティな印象。ドアパネルも微妙な丸みを持ち、下部にはズバッとキャラクターラインが走る。まさに、5ドア・ハッチバックの傑作と言っても過言ではないデザイン。2610mmのホイールベースはCセグメントカーの標準より長く、これが快適な乗り心地に貢献している。
04 シート
セダクション/エクスクルーシブともにファブリックが装着される(サンプルカーはセダクション)。ただし、エクスクルーシブには本革シートのオプション設定がある。クッションの厚みはたっぷり、サイズにも余裕があるから、座り心地は非常に良い。後席も大人2人が余裕で座ることができる。シートバックは6:4の分割可倒式。
05 インテリア
インテリアのデザインがC4のハイライト。素材の質感や造形、メーターのデザインやレタリング、ステアリングホイールの形状、スイッチ/ダイヤル類に至るまで、まったく隙がない。その上質感は間違いなくクラスのトップレベル。特に夜間のメーター照明は抜群に良い雰囲気。サンプルカーにはオプションのパノラミックガラスルーフ(エクスクルーシブは標準装備)が装着されていた。
06 エンジン
BMWとPSAが共同で開発した1.6リッター直4DOHCが搭載される。基本的にプジョー207やMINIなどと同じエンジンだから動力性能は必要にして充分。ひとクラス上のC5と同等の遮音対策が施され静粛性も抜群に良い。自然吸気のセダクションが120ps・16.3kgm、ターボのエクスクルーシブが156ps・24.5kgmのスペック。燃費(JC08モード)は、セダクション:12.1km/L、エクスクルーシブ:13.1km/L。ともに高速道路の100km/h巡航では15.0km/Lを超えるだろう。
07 トランスミッション
ターボエンジンを積むエクスクルーシブはいわゆる2ペダルMTの6段EGS、自然吸気のセダクションには4段ATが採用されている。ともに完成度は高くシフトマナーも良い。エクスクルーシブにはパドルシフトが装備される。
08 サスペンション & タイヤ
一般的なコイルスプリング式のサスペンションを採用しているが、その味は「ハイドロ」に近い。しなやかな足の動きでどんなシーンでもあくまで滑らかさを保つのは、まさに「シトロエン・ライド」。街中でも高速でも、とにかく心地よい。タイヤは、 セダクション:205/55R16、エクスクルーシブ:225/45R17。
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