2008年式と2009年式のプライスは大差なし

　多彩なモデル・バリエーションを誇っているMINIシリーズには、現在、クラブマン以外に、MINIというクルマの高品質ぶりを普段使いで存分に味わえるワン、全方位的にバランスがいいことを身上とするクーパー、シチュエーションを問うことなくスポーティな走りを楽しめるクーパーS、圧倒的な開放感を堪能できるコンバーチブル、そして、四輪駆動も選べるMINI初の5ドアSUVとして新境地に気軽に分け入って行けるクロスオーバーがラインナップされている。そのようなユーザー・フレンドリーな状況の中で、MINIのロングホイールベース版であるクラブマンに関しては、優れたスペースユーティリティが最大のポイントということになるだろう。

　優れたスペースユーティリティは実用性の高さという言葉に置き換えることができるが、クラブマンならではといえる実用性の高さは、MINIのハッチバック仕様からの車格的なステップアップを望んだファミリーや個性的なクルマをガレージの住人として迎え入れることを好む熱心な自動車趣味人などから絶大なる支持を得た。このところ認定中古車市場内において俄然存在感を増している“充実装備のクラブマン”は、既述したようなファミリー層や自動車趣味人のもとに新車でデリバリーされた車両だといえるが、総じて丁寧に扱われていたため、良質かつ低走行のクルマが多いのであった。この、良質かつ低走行のクラブマンが多いという嬉しい状況は、高年式のクルマだけでなく、低年式のクルマにも当てはまり、それが市況にも反映されている。

　具体的な数字を挙げて説明すると、クーパークラブマンの2008年式および2009年式の市況が210〜270万円前後、クーパーSクラブマンの2008年式および2009年式の市況が230〜300万円前後となっており、見事に同一なのだ。高年式車の相場についても記述しておくと、クーパークラブマンの2010年式は250〜290万円前後、クーパーSクラブマンの2010年式は260〜330万円前後という市況となっており、両グレードとも2008年式および2009年式よりも20〜30万円ほど高価格帯にて流通している。また、最強グレードであるジョン・クーパー・ワークス・クラブマンの認定中古車は流通数が極端に少ないが、2009年式が315〜335万円前後といった価格帯で販売されていることもご紹介しておく。