3ドア、5ドア、ワゴン、オープンがラインナップされている207は、搭載エンジンの違い(1.4L/1.6L/最高出力が異なる2種類の1.6Lターボがある)、ミッションの違い(MT/AT/2ペダルMT=RMT)までを加味すると多様なモデル・バリエーションが存在している。ちなみに、1.6LエンジンはBMWとの共作で、自然吸気仕様が連続可変バルブタイミング&リフト機構(吸気側)を持ち、ターボ版が直噴仕様だ。サスペンションは全面的に見直された前:ストラット/後:トーションビーム式で、プジョーの伝統で自社製ダンパーを採用している。この足のセットが終始フラットな乗り味を生み出しているのだ。パワーステアリングは電動式で、ハイスピード域での安定感、ワインディングでの正確なハンドリングを特徴としている。一台でオールマイティに使えるプジョー 207とはどんなクルマなのか、さらに詳しく見ていこう。
01 フロントビュー
プジョーの“ニイマル・シリーズ”のヒストリーを知っている者が見たら、ひと目で206の後継車だとわかるフロントマスクを採用している。しかし、伝統のツリ目は206以上にシャープな印象となり、フロントグリルもネコ科の動物(プジョーだからライオン!)が獲物に襲いかかろうとする瞬間の口もとをイメージさせるアグレッシブな形状となっている。
02 リアビュー
後ろ姿も206の後継車であることを見る者にイメージさせるデザインとなっている。全幅が1.7mを超えているが、エクステリア・デザインの妙で実物が目の前にあったとしてもボディの大きさを感じることはない。電動格納式ドアミラーは熱線入り。ステーの基部にターンシグナルを内蔵している。
03 サイドビュー
全長が4m強、最小回転半径は5.4m。普段の生活の中でのショッピングや送り迎えといったシチュエーションにおいては、取り回しで苦労することはない。
04 シート
上級グレードのシエロは、ハーフレザーシートを標準装備している。フロント同様、リアシートもレザー/ファブリックのコンビネーションだ。フロントに関してはスポーツシートなので、週末にお父さんがワインディングをそれなりのスピードで疾走しても、カラダをしっかりホールドしてくれる。このあたりも207のことを“一台でオールマイティに使える”と呼べる所以のひとつだ。
05 インテリア
インパネのアッパー部分にはソフトな樹脂素材が採用されている。メーターまわりやシフトノブなどに効果的に配されたメッキ加飾が上質な雰囲気を作り出している。左右独立調整式オートエアコンを装備。その他、チルト&テレスコピックステアリング、トリップコンピューター、盗難防止アラーム、パフュームディフューザー等を採用している。
06 エンジン
上級グレードのシエロはBMWと共同開発した1.6L自然吸気エンジンを搭載している。ロングドライブまでをこなせる必要十分な性能を有しており、低中回転域のスムーズさ、抜群の静粛性を特徴としている。活発な走りを楽しめる1.4L、全域に亘って力強い走りを堪能できる1.6Lターボも存在。スポーティグレード『GTi』用の1.6Lターボエンジンは、過給圧を高めることで、高回転の伸びとパワー感が大幅に増強されている。
07 トランスミッション
スポーティグレードだけに限らず、ベーシックグレードにおいてもマニュアルミッション仕様をチョイスすることができた。2ペダル=ATは自然吸気1.6L用が電子制御4段AT(いわゆるAL4)で、1.4L用が5段RMT(ロボタイズド・マニュアル・トランスミッション)という構成となっている。
08 サスペンション & タイヤ
後席は6対4分割のダブルフォールディング式を採用している。270Lのトランク容量はシートをたたむことで923Lまで拡大する。ステーションワゴン仕様はもちろんだが、ハッチバック仕様も荷室の実用性が高い。
09 荷室
プジョーならではのノウハウが凝縮された自社製ダンパーを採用しているので、乗り心地がいい。足がしなやかに動くので、国産車から乗りかえても違和感を感じることはないだろう。シエロが履いているタイヤは前後とも195/55R16。206時代よりもホイールベースやトレッドが拡大され、また、車重も増しているので、Bセグメントのコンパクトカーとしては走りのフィーリングが落ち着いているといった印象。
10 ルーフ
パノラミックガラスルーフはステーションワゴン仕様に付いている印象が強いが、SWだけでなく、ハッチバックのシエロやGTも標準装備している。特別な開放感を楽しめるので、認定中古車を探す際はパノラミックガラスルーフを狙うといいだろう。 |