整備中の車両を除けば全車が屋内展示というポルシェセンター浜田山 認定中古車センターには、まるで新車と見間違うような個体ばかりが並ぶ。多数を占めるのは高年式、低走行車ばかりだが、それが総てではない。訪れた日は、現行モデルに混じって996カレラ4Sや、空冷時代の993までが並んでいた。9年、20万km以内という幅の広さを嬉しく感じる部分である。
だが、個体を見る彼らの目はさすがに厳しい。まず、仕入れる個体は、自社で販売した新車の下取り、または自社を始めポルシェセンターネットワークで活躍したデモカーに限られる。よっぽど程度が良くても、少しでも履歴に不鮮明な部分があると、または自社で販売した新車であってもユーザーの使い方に“荒っぽい”部分があったと判断したら買い取っても販売はしない。
もちろん事故歴があるだけで除外される。昨今ポルシェセンター間において、点検歴、修理歴といったヒストリーはすべて共有される。過去に修理をしたセンターとは別の店舗で査定をしたとしても、確実に情報は筒抜けとなる。 では、ポルシェセンター以外で修理をした場合はどうだろう。このときこそ、各センターのスタッフの“眼力”、いわゆる五感が重要となる。日々多くのポルシェを見て、そして修理してきた人達である。見て触って、音を聞けば、修復した個体は何らかの違和感があるという。そうした違和感が少しでもあれば、まず認定中古車にはならない。ということは、晴れて認定中古車として店頭に並んでいる個体は、その厳しい難関をくぐり抜けてきた中古車のサラブレッドたちなのである。前オーナーが車庫保管か、乗り方は丁寧かなど、そこまでの領域にまで踏み込んで集められた認定中古車は、もはや中古車の域を超えた存在である。
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