ルノーカングー
初代(2002-2009)・2代目(2009-) 徹底検証
1997年3月のジュネーブショーでルノーから「パンゲア」という風変わりなコンセプトカーが紹介された。そのクルマを見た誰もが「まさかこんなクルマが実際に販売されるわけがない」と思ったというが、果たして2カ月後のバルセロナモーターショーで前半部デザインに少しだけ手を加えたモデルが市販車として発表されたのである。そう、その風変わりなクルマこそが「カングー」だったのだ。当初は商用車として販売されていたものの、個性的で愛らしいボディデザインと優れた実用性が話題を集め、乗用車として世界中に普及していくのである。国境や世代の壁を越えて愛され続けるカングーとはいったいどんなクルマなのか? ルノー岡崎で見つけた先代/現行型の認定中古車を俎上に載せてその魅力をじっくり紐解いていこう。
01 フロントビュー
初代
初代カングーが日本に上陸を果たしたのは本国のデビューから約5年後の2002年3月。で、導入から僅か1年5カ月後にはマイナーチェンジが実施されるという変則的な展開になった。ゆえに日本市場に約1年半しか存在しなかったクラシカルな顔を持つ初期モノが流通することは希と考えていいだろう。サンプルカーも2006年式だからもちろんイマドキのフロントマスクになった後期モノだ。背が高いのでけっこう大柄に見えるが全長:4035/全幅:1675mmと余裕で5ナンバー枠に収まる。ちなみに2006年からのメタリック色にはご覧のようにボディ同色バンパーやクリアサイドウィンカーが採用されている。
2代目
2009年9月にリリースされた現行型カングー。ヘッドライトのデザインには先代の面影を残すものの、大きく口を開けるエアインテークなどの採用によりかなり精悍なフロントマスクとなった。そして、何と言ってもボディが大幅に拡大されたことが最大のトピック。先代は余裕で5ナンバー枠に収まっていたが、全長4215×全幅1830×全高1830mmのニューモデルは堂々たる体躯の3ナンバーサイズとなる。ちなみに全幅は高級ミニバンのトヨタ・アルファードと同サイズ。ドアミラーは電動可倒式となった。
02 リアビュー
初代
スタイリッシュで便利に使えるダブルバックドアと呼ばれる観音開きのリアドアが特徴。そのためリアウィンドーは2枚が装着される。観察してみるとヒンジやビスが露出しているのにそれも計算されたデザインのように思えてしまうのがカングーの美点。でも、直線的なルーフラインと直角に切り落としたリアエンドを見ればデザインよりも実用性を優先させていることがわかる。
2代目
先代よりグッと洗練されイマドキのデザインになったリアビュー。もちろん、観音開きのダブルバックドアを採用している。斜め後方から眺めたときの雰囲気はまさにお洒落なミニバンのようだ。先代では当初通常のハッチバックも用意されていたが新型では導入されていない。
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