ヒストリー
 
 
 
 
 ポルシェは911を代表としながらも、時代時代で新しいコンセプトを我々に提示してきた。最初は60年代後半、VWのコンポーネンツを巧みに利用したミッドシップスポーツカー、914である。その後、70年代に入ると2+2のFRスポーツカー、924が誕生し、これは後に944、968へと成長していく。コンセプトモデルの生産版として283台が生産されたスーパースポーツ、959の存在も忘れてはならない。
 だが、いずれもRR+水平対向の911という偉大な存在の前に隠れたのか、後生に残る作品にまでは至らなかった。21世紀になってようやく、914系の流れはボクスター/ケイマンへと受け継がれ、また924のFRラインはパナメーラとして復活した。同時にポルシェ初のSUVにして経営の屋台骨を支えたカイエンが誕生したのも21世紀に入ってからである。
 このように、911を大きな核としながら、頻繁に新しいスポーツカー像を世にプレゼンテーションし続けてきた。911を大切に守りながら、しかし911だけに固執しない。それがポルシェというブランドである。