「故障が多い」「多額なメインテナンス・コストがかかる」。アメ車を所有した経験がない方はアメ車に対してそんなイメージを持つのではないだろうか。果たしていまや「でっかいアメ車」の代表選手になっているジープ ラングラー・アンリミテッドって、実際はどうなんだろう。セールストークなしで真実を教えてくれたのは「クライスラー・ジープ・ダッジ相模原」のメカニック 吉原雄一 氏だ。
----JK型はメカニズムも一気に進化したと評判ですが、メカニックの視点から実際のところはどうなのですか?----
「ジープらしい無骨なTJ型のスタイリングを踏襲している現行JK型ですが、中身は「別モノ」です。先代TJ型はどちらかと言えばオフロードを走るために作られたクルマ。JK型はオンロードを快適に走るための新しいメカニズムが数多く採用されているのです。平たく言えば「クロカン」から「SUV」に進化、みたいな感じでしょうか。特に4ドアのアンリミテッドはオンロード指向の強いクルマだと思います。」
----電子部品も増えているのですか?-----
「その通りです。TJ型の点検・整備はメカニックの「腕」と「経験」がポイントになっていたのですが、JK型のメインテナンスは車載コンピューターに集約されている情報が基本になります。つまりパソコンのキーボードを叩くことから仕事が始まるのです。ただし、ディーラーのメカニックはJK型のチェックポイントを心得ていますから、私たちにメインテナンスをおまかせいただければ安心してジープライフを楽しめます。」
----アンリミテッドでメカニズムの大きなトラブルが発生した事例は?----
「当社では1台もありません。」
----国産車感覚で維持できますか?----
「維持できます。ただし、ジープ・ラングラーは国産に比べて定期交換が必要な消耗部品が多いので、12カ月点検と車検を正規ディーラーの工場に入れていただくこと、という条件は付きます。」
----具体的にJK型特有の整備ポイント&交換部品とは?----
「ブレーキ・マスターシリンダー、ブレーキ・マスターバッグ、ウォーターポンプ、インテークマニホールドのガスケット、分割構造になっているハードトップのゴム製パッキンなどです。」
----エンジンオイル交換のサイクルを教えてください----
「5000kmが目安です。約6リッター入りますので、料金はモデルイヤーによって多少前後しますが、@1520円×6L=9120円、プラス工賃3000円で、合計12,120円です。交換サイクルから話はそれますが、エンジンオイル交換に関しては様々な特典をご利用いただければ無料になる方法もございますのでお気軽にご相談下さい。」
----走行5万kmの認定中古車を購入したとしても国産感覚で維持できますか?----
「もちろんです。きっちり点検・整備を行ってきた個体しか認定中古車になる資格を与えていませんし、先程挙げたパーツを重点的に交換して納車整備を行いますから、新車より安心してお乗りいただけますよ(笑)。」
----ジープ ラングラー・アンリミテッドの魅力とは?----
「私はアメ車が好きでメカニックになりましたのでかなり偏った意見になるかもしれませんが(笑)。まず、最近のジープはきっちり点検・整備を行っていれば故障は発生しないし、特別なメインテナンス・コストが必要になることもない、ということを忘れないでください。ただし、国産に比べれば交換部品が多くパーツ代も若干割高です。でも、昔のアメ車みたいに多額な費用はかかりません。アンリミテッドは、見た目は無骨ですが、走りは非常に洗練されていてファミリーカーとしてもお使いいただけます。ぜひ、ご家族で高い満足感を味わえるジープライフを楽しんでいただきたいですね。ジープの魅力を知ってしまうと、もう他のクルマには乗れなくなりますよ。」
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