ANSWER
コンディションと走行距離は切り離して考えてください。
----フォアマンという肩書きをお持ちですが、どのような仕事を担当されているのですか?
分かりやすく言うと「工場長」です。作業工程の管理、メカニックの指揮・支援が主な仕事になります。自分でメインテナンスを行うこともゼロではありません。
----メカニックとしてのキャリアは?
18年になります。
----18年前というと、124や202が現役だった頃ですが、最近のモデルとの違いをどのあたりに感じていますか?
まずはメカニズムの不具合が激減したことです。また、ベルトやゴム/ブッシュ類の耐久性が格段に良くなって、最近は私たちが交換作業を行う機会も激減しています。
----クルマのコンディションを把握するポイントは?
自社で管理している物件の場合、とにかく整備履歴が重要です。下取り車はまず「ウラドリ」から行っていきます。でも、大半はボンネットを開ければわかりますよ。きっちり定期点検を受けてきたクルマはエンジンルームも隅々まできれいなのです。
----本題の走行距離とコンディションの関係ですが、どのようなお考えを持っていますか?
あくまで個人的な見解ですが、私は10万kmくらいまでであれば、走行距離とコンディションはそれほど関係ないと思っています。重要なのは、あくまでオーナーの使い方です。たとえば、高速巡航を中心に使われている車両は走行8万kmでも驚くほどコンディションが良い場合が多く、街乗り中心で渋滞路ばかり走っていた車両は走行3万kmでも想像以上にパーツの劣化が進んでいることがあります。
----メルセデス・ベンツのコンディションを維持していくには手間もコストもかかる、という噂はホントなのですか?
はっきり言ってそれは昔の話です。具体的には、203や210以降のモデルは、定期点検さえ怠らなければそれほどコストはかかりません。さすがに走行10万kmを超えると交換しなければならないパーツが増えてきますけれど、それまでは距離より使い方です。
----メルセデス・ベンツ広島西サーティファイドカーセンターの物件は自社管理モノだと聞いていますが。
そうですね。当社の場合、サーティファイドカーの素材は基本的に自社で管理していたものに限定していますし、私どもで徹底した納車整備も行います。少なくとも、3年くらいの間に大きなメインテナンス・コストが必要になることはないでしょう。その後は、定期点検を行っているかどうか、それと使い方によります。手荒な運転をしているとブッシュが傷みますし、アイドリングばかりさせているとエンジンルームに熱がこもり電子部品などの不具合やゴム/ブッシュ類の劣化の原因になります。
----メカニックの立場から、特にお勧めしたいアラフォー・サーティファイドカーはありますか?
かなり難しい質問ですが、個人的にはE320CDIをお勧めしたいですね。たとえば、走行6万kmでもサーティファイドカーであれば、購入後に多額なメインテナンス費用が必要になることはないでしょう。最も高いのはタイヤ交換だと思いますよ。つまり、本当に丈夫でタフなクルマなのです。実際、当店のお客様にも大きなトラブルはないですし、皆さん10万km以上普通に使われていますから。ご存知のように欧州では、Eクラスもかなり前からディーゼルエンジンがスタンダードになっているじゃないですか。だから、メカニズムの完成度が非常に高いのだと思います。
----結論としては、サーティファイドカーならアラフォー物件も安心して乗れるということですね。
最近のモデルはメカニズムの信頼性・耐久性が非常に高いので、アラフォーでも素材を厳選したサーティファイドカーであれば、購入後に多額なメインテナンス費用が必要になることは基本的にないと思います。ただし、定期点検だけは忘れないで行ってください。
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