現在の日本におけるルノースポール事情を探るうえで絶対に外せない人物がいる。日本市場において一時は絶滅の危機に瀕していたルノースポールを窮地から救い、さらにまっとうな道へ導いてくれたすごい人、というか救世主と言っても過言ではないだろう。とにかく、ルノースポールを信仰する人々から「教祖」的な存在として認められているのである。その昔はスペシャルショップのオヤジさんがそんな存在となっていたけれど、新時代の教祖は違う。なんと、正規ディーラーの店長なのだ。ルノー東京有明の井上哲鑑氏がその人。全国のルノースポール・フリークが絶大な信頼を寄せる彼に、ルノースポールの魅力や選び方などをじっくり聞いてみた。
ルノースポール・フリークの聖地が東京・有明にある!
----まずは基本情報として、井上さんが店長を務めるルノー東京有明におけるルノースポール(以下はRS)の立ち位置を教えてください。独自調査によると日本においては、新車、認定中古車、中古車、いずれもRSの販売量において数年前からトップの座を譲ったことがないようですが----
「いまルノーディーラーの主力モデルになっているのは間違いなくカングーです。でも、当店だけは常にRSなのです。実用車に比べるとそれほど販売量が期待できないスポーツモデルに、積極的に取り組んでいる珍しいディーラーとお考えください。」
----珍しいというか、かなり型破りなディーラーだと思うのですが、なぜRSなのですか?----
「私が好きだからです(笑)。」
----いま、ニューモデルのメガーヌRSが話題になっていますね----
「それが、今年は新車販売がピンチなんですよ。」
----RSの新車販売が思うようにいかない事情とは?----
「3月11日に起きた東日本大震災の影響です。実は、現行RSのパーツを作っている工場が被災して、日本仕様のRSは生産ができない状況にあるのです。すでに再開の目途は立っているのですが納車は9月以降になると思います。」
----認定中古車(初度登録から5年以内・走行距離6万km以内)と中古車(認定中古車の対象から外れる車両)の状況はいかがですか?----
「認定中古車と中古車を合わせると在庫は常に25-30台あるのですが、その8割以上がRSとお考えください。代替えで下取りが増えている先代ルーテシアRSとメガーヌRSが多いですね。先代ルーテシアRSは50-200万円が相場で、人気のフェイズTもまだ探せますよ。いっぽう、先代メガーヌRSはフェイズTが100-200万円、フェイズUは220-300万円が目安になります。」
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