この個体は2009年9月登録で、走行距離わずか5000km。初年度登録から4年間続く新車保証がたっぷりと残った状態で、価格3500万円と提示されていた。オーナードライブカーとして最適なショートホイールベースの57Sで、人気の高いバルチックブラックの外装色に、ベスビオブラックの内装色、そこにカーボントリムがあしわわれたもの。前後シートベンチレーターやソーラーベンチレーションなど装備内容も申しぶんない。新車と比較するのなら、たった1年強と5000kmを刻んだだけで1500万円以上のプライスダウンと見ることができる。S65AMGの新車価格(3040万円)+αでマイバッハを手にできるチャンスがここにあるのだ。
もっとも、57Sとはいっても全長がS600ロングよりも長い5734mmもあり、取り回しの気苦労を懸念する人はいるだろう。だが、マイバッハを経験した人間は誰もが「乗りやすい、取り回しも苦ではない」と口を揃える。大型なボディを軽々と引っ張るゆとりある動力性能に、極上の乗り心地、さらに見切りの良いボディに、小回りの良さなど、真の高級車はドライバーに最高の感触と、至上の運転空間を約束する。
年間数万km、数年で10万km以上を走り切る人や、マイバッハを複数台乗り継ぐ人も少なくないという。そもそもメルセデス・ベンツの技術を活かした抜群の信頼を備えるマイバッハである。新車保証を含めたメルセデス・ベンツ品川のバックアップ体制を含めると、その信頼感は倍増する。この個体のみならず、これからは新車への乗り換え需要に伴って、こうした魅力的な中古車がますます増えると予測される。この動きは、注目せずにはいられない。
TEXT:中三川大地
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