初年度登録は2008年12月だから、年末に最初の車検を迎えるが、走行距離はまだ1.5万kmに満たないほど。前オーナーは趣味のツールとして、セカンドカーで使っていたのだろうか。2年以上の時間をまったく感じさせない純白のアルピンホワイトに、ヘタリのない赤内装(コーラルレッド)仕上げ。程度はもとより、クーペ+赤内装というのは全国的に見ても極めて珍しく、この個体はさらに少数派の6速MTモデルである。スポーツカーと言えども2ペダルが主流となったが、敢えて3ペダルを望む向きは決して少なくない。走りを楽しむならMTモデルを、という人達には最適の物件というわけだ。
価格は428万円。2010年式の新車価格を例に取ると559万円だから、オプション価格を加味したら値落ち幅は約150万円となる。登録から1年と経たずに100万円以上のプライスダウンが珍しくない認定中古車においては、その価格だけを取ってみると値落ち幅が大きいとは言えない。だが、この個体は先述した極めて珍しい仕様である。同様のものを新車でオーダーすると、納車まで半年近くかかることもあるという。最大100項目の手厚い納車前点検を受けたうえに即納できるというプレミアム・セレクションの迅速性を考慮すると、なかなか魅力的な物件だと思えてくる。
さらに付け加えると、これだけ玄人好みの仕様であるだけに、欲しい人は世代年代を超えてこれからも存在し続けるはず。つまり、手にしてから何年乗ろうが、相応のリセールバリューが期待できてしまう。もちろん、一生モノとして付き合うに相応しいような性能と質感、さらには存在意義を持つ最高峰のコンパクトスポーツであることは間違いない。いまや大型化だけがプレミアムじゃない。“ジャストサイズの最高峰”をぜひ体感して欲しい。。
TEXT:中三川大地
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