その企業努力の結果は価格に現れている。人気のオブシディアンブラックをまとい、キーレスゴーやパワーシートなど便利なオプション装備が付いた状態で価格は698万円とされた。E350ブルーテック・ステーションワゴンの新車価格は833万円であることを考えると驚くべき価格だ。新車には適用されるエコカー減税が、中古車には存在しないと考えても軽く50万円以上の割安感がある。全国的なブルーテックの相場が750万円前後で推移することを考えると、かなり戦略的な値付けである。もちろんサーティファイドカーとしての保証は全国統一ルールのもと万全であるうえ、新車保証もたっぷりと残っている。この機会を逃すと、この価格でこの状態の個体、というのはもう巡りあえないかもしれない。そう思わせるような希少性がある。

 なおかつブルーテックは、秀でた環境対応性能はもちろんだが、怒涛のトルクがもたらす力強い走りや、航続距離の長さ、軽油による燃料代の節約など見るべき部分は多々ある。なによりディーゼルエンジンはおしなべてガソリンエンジンより耐久性が高く、末永く乗り続けられる安心感がある。たとえ数年後に手放したとしても通常の乗り方さえしていれば、再びサーティファイドカーとして活躍するはずだ。「ブルーテック」に加えて「Eクラス」というブランド性も手伝って、リセールバリューにも期待が持てるというものだ。

 このように、全方位にわたって完成度の高さを持つE350ブルーテック・ステーションワゴンが、早速サーティファイドカーとして登場したことを改めて歓迎したい。このメルセデス流最新ディーゼルに興味を持つ人は、今すぐにでも飛び込んでみることをお勧めしたい。ガソリン価格がじわじわと値上がりを続ける昨今にあって、もしかしたらブルーテックの相場はまた上がるのかもしれないのだ。今ならまだ、極めて新車に近い個体をリーズナブルな価格で手に入れられる、大きなチャンスがこうして存在するのである。

TEXT:中三川大地

PREV PAGE

ブルーテックの識別点はエンブレムのみ。ラゲッジの項でも述べた尿素水溶液(AdBlue)タンクを床下に搭載するため、スペアタイヤのスペースがなくなり、結果としてメルセデスとしては初めてランフラットタイヤを純正で採用する。

ディーゼルエンジンは軽油を使用燃料とするため、燃料代が安く済むのも大きなメリットだ。10・15モードの燃料消費率が13.4km/Lと優秀な上に、燃料タンクが80Lと大きいため、航続距離が長いというのも見逃せないところだ。

最高出力155kW/3400rpm、最大トルク540Nm/1600〜2400rpmを発揮する3.0Lユニット。24バルブのコモンレール+ピエゾ素子制御+可変ノズルターボという構成が核だ。出力はCDIと同じながら窒素酸化物69%、微粒子21%を削減させた。

E350 BlueTEC STATIONWAGON AVANTGARDE

2010年式 検2013年12月 
走行距離1,000km
オブシディアンブラック
698万円

メルセデス・ベンツ品川

Tel.03-5479-1700

 

.