その中で注目したのはアルピンホワイトVにヴェネトベージュレザーという人気のカラーで人々を惹きつける550iGTだ。1750〜4500rpmという広範囲で最大トルク61.2kg-mを発揮するV型8気筒ツインターボを搭載するほか、8速化されたATや、最新の車体制御技術であるアダプティブ・ドライブなど、BMW最新のメカニズムで、走りと快適性を両立させたモデルである。
かつこの個体には、人気のパノラマガラスサンルーフやコンフォートシートなどが網羅されている。極めつけは「Abe BMW」の粋な計らいによって、わざわざ本国に発注して入手したオプションの21インチ・クロススポークホイールが、タイヤと共に新品で輝いていることである。タイヤ代を含めるとそれだけで80万円近い装備である。これで一段とスポーティな印象が高まった。
個体の状態は、登録から1年半弱、走行距離1.3万km。もちろん些細なキズひとつなく、ヴェネトベージュレザーもまだ新品の香りが残る。この状態で価格735万円である。通常の5シリーズはもちろん、3シリーズの上級グレードの新車価格と同等で、この新ジャンルのフラッグシップが手に入るのだ。参考までにこの状態を新車で購入すれば、乗り出し価格で1200万円を超えてくるはず。プレミアム・セレクションがいかにお買い得なのか分かる。
既存の3ボックススタイルを、あるいはワゴンやクーペという常識を、少しだけ外してみたらイイトコ取りのモデルがあった。5シリーズGTとはそういうクルマである。それがいまプレミアム・セレクションなら実に買いやすい。その上、カスタマイズにも積極的な同店ならば、モデル自体の希少性と相まって他人とはひと味違うクルマに仕立て上げることもできる。個性を重んじる人こそ、積極的に選んで欲しい銘柄である。
TEXT:中三川大地
|