さらに、プレミア・コレクションに該当することで、新車保証継承に加えて1年間の走行距離無制限保証が付くなどメリットは多々ある。新車と比べるなら、価格のみならず即納できるメリットも無視できない。こうしたスペシャルモデルの場合、たいていが本国オーダーによる発注となり、結果として半年以上の納期を強いられるケースがほとんどだからだ。
と、魅力溢れるこのXKR-Sに注目が集まるものの、同店は他にも多数のスペシャルモデル、特別仕様を持っている。例えばこの1台。深みのあるレーシングレッドに、ホイールやエンブレムなど随所がブラックアウトされるという特別装飾を持つXKRである。よく見るとテールレンズもブラック化され、適度に硬派っぽく、だけど下品ではない抜群のセンスを感じる。これは初年度登録から約1年半が経過するが、走行距離はまだ5000km。価格は1180万円と、やはり300万円以上の下げ幅がある。いや、オプション装備やカスタム内容を考慮すれば幅はもっと拡がるはずだ。
ジャガーのみならず、ランドローバーにもスポットを当ててみよう。まずはレンジローバーの王道ヴォーグにして、歴代最高の出力性能(510ps)を持つV8スーパーチャージドが目に飛び込む。新車は1400万円強だが、この個体は100万円近いオプション装備が付いていた。それが3年弱、3.7万kmを経ただけで販売価格は928万円に。顔つきは2012年型に変更されて古さは微塵も感じない。レンジ流500psオーバーを色濃く味わえる1台だ。
さらにフジホワイトの外装色にエボニー・アイボリーの内装色を持つオートバイオグラフィースポーツを発見した。これもまた豊富なオプション装備が付く上に、2011年式ながらも2012年ルックの表情へと変更されている。走行距離はまだ9000km。程度も上々ながら1068万円だった。
このように、1000万円を中心としたゾーンで無数の選択肢を持つ。これこそが英国車の懐の深さだと感じる。今まで定番ドイツ車ばかりを乗り継いできた人こそ、そこから一歩俯瞰して英国車の世界を覗いてみたい。そう言える土壌が、ここジャガー・ランドローバー三島には整っている。
TEXT:中三川大地
|